苗場山日帰り登山【2018.10.28】

(A)活動概要

所在地 新潟県中魚沼郡津南町 苗場山
目的 比較的近い山で日帰り登山を楽しむ
内容 一般登山

(B)活動詳細

メンバー 役職
CL NK SL YD 記録 TR 装備 HN 待機 MT
装備 共装
ツェルト、FA、ガス⽸、ガスヘッド、コッヘル
個装
ザック、⾬具、登⼭靴、登⼭⽤靴下、帽⼦、サングラス、登⼭⽤ウェア⼀式、スパッツ、防寒着 時計、ナイフ、ライター、地形図、コンパス、ヘッドライト、予備電池、お⾦、保険証 ⾏動⾷、⾮常⾷、⽔、ロール
天気 登⼭⼝は晴れ ⼭頂は晴れ後霧 登頂後少ししてから下⼭完了まで曇り
気温 登⼭⼝では秋相応の涼しさ、⼭頂に於いてはかなり冷え込んだ(詳細な数字は不明)
行程

0400   全員集合。⼤きく遅刻をした⼈が誰もいなかったのは⼤変に喜ばしいことである。4時間強の睡眠の中で遅刻する夢に3回叩き起こされた甲斐があったというものだ。 

0410   出⽴。10 ⽉も終わりとあってかなり肌寒くさらには⾬が降っており、旅⽴ちにはあまりに不相応な様相である。不安を煽ることこの上ないのだが意外にも苗場の天気予報は数⽇前から変わらず晴れのままであった。

0545    セブンイレブン⼩千⾕⼤橋店着、休憩。早めの朝⾷をとる。ここまでの道中⾬脚は⼀層強まったが⻑くは続かなかった。来た道を振り返れば重々しい⾬雲が⽴ち込めているが進⾏⽅向遠くに⽬をやれば存外雲の厚さは⼤したものではなく陽の光がにじんでいた。なるほどウェザーニュースも⾺⿅にはできないということか。まさしく先⾒の明である。

0605     セブンイレブンを出発。⼤変美味しいおにぎりであったが具は忘れた。ここまで先輩⽅は全員が農学部の出⾝という事もあり授業の話題で⼤変盛り上がっていた。ついていける話題かと聞かれれば全くついていけなどしないが、違う学部の内情が仔細に聞けるのであるからそれだけでとても⾯⽩い。⼀⽅で授業の話が盛り上がるほどに⽇ごろ適当な理由をつけ講義をサボタージュする我が⾝の不誠実さが思い出され⼀抹の居⼼地の悪さを感じないではなかったことをここに告⽩しよう。笑ってくれて構わない。⾃業⾃得である。余談だが先輩⽅が具体的にどんな話をしていたかは忘れた。

0700       ファミリーマート六⽇町駅東店着。

0705      同店を⽴つ。売り物を買わずトイレだけを借りて出て⾏った。なんたる不遜。⾔い訳などできるはずもない。後ろ指を刺されようと構わない。しかし私は⼀介の⼤学⽣  、恥を忍んで財布の中⾝を守って、それの何が⼀体罪であろうか。

0810     登⼭⼝着。 20 分程整備をしているとも、していないとも⾔い難い適度にガタガタの⼭道をドライブしてついにたどり着いた。スキー場の駐⾞場が今回の出発地点だ。いつぶりの苗場であろうか、個⼈的な感動もひとしおである。因みにここに⾄るまでの⼭道で我々は綺麗な紅葉を満喫した。⽂字通り真っ⾚な景⾊は⽇頃ノートの隅っこかあるいはなんでもない上の空ばかり⾒ている私の⼼を浄化するに⼗分であった。助⼿席のYDさんも⼤変興奮した⾯持ちで紅葉とNKさんの顔を交互にカメラに映している。きっとNKさんの表情も紅葉に負けないくらいのものであったのだろう。いまの時期紅葉が綺麗だと⾏っていた⾃動⾞学校の教官の⾔葉に嘘偽りはなかったようだ 。だがしかしそれは登⼭道にたどり着くまでの間 の話であった。束の間の夢。その⼀⾔に尽きる。標⾼が上がるにつれ葉は落ち草はかれ 荒涼とした殺⾵景な景⾊が辺りを侵⾷し始めた。

0820      ⾏動開始 。直後トカゲを⾒つける。まさかこの時期この気温下でお⽬に掛かれようとは。「トカゲは両⽣類だよ。」とはYDさんがこの時零した⾔葉であるが、なるほどそういった解釈もあるのだろう。若輩者が⼝を出すべきことではない。ものの⾒⽅は⼈それぞれであり分類学とは深淵だ。

0825      全員がゲイターを持ってきていないことに気づく。

0840      0820 ⾏動開始と記したが実はここまで登⼭道は通らずにスキー利⽤客向けのアスファルトの道を使って迂回してきていた。登⼭道はここから始まる。前⽇まで⾬だったようであたりは濡れた落ち葉でまみれていた。どうやらその下は粘⼟質の⼟壌のようで登⼭道は⼤変ぬかるんでいた。濡れた登⼭道で脅威となるのは異様なまでに滑りやすくなった岩と⽊の根だが苗場⼭もその例に漏れずとても歩きにくかった。ぬかるみと合わさって脅威の度合いはさらに増す。⾜の置き場を考える必要があった。

0925      下ノ芝着。休憩。⾜場が悪いと⾔っても別にアルプスの尾根にいるのではない。時間的にはいいペースでの到着となった。ここでYDさんからなんとか涵養機能なる⽤語の説明を受ける。NKさんやHNさんの反応を⾒るにかなりクオリティの⾼い解説であったようだが下⼭した時点で忘れてしまい今も思い出せない。できの悪い教え⼦で恐縮である。

0935       下ノ芝発。この後尾根に出てしばらくするまで、つまりは背の⾼い⽊が消えて⾜元から落ち葉と泥が消えるまで前述した良いとは⾔えない⾜場が続いた。

1030      ⼩松原分岐通過。この辺りになると背の⾼い気も⽐較的少なくなる。

1035      股擦り岩通過。概要を述べるなら1m〜2m 弱ほどの岩からなる段差である。下る際には⾜元の地⾯がよく⾒えずこれを恐る恐る下るなら尻をつき股をする格好となるのだろう。が、あまり難所という印象は受けなかった。看板はあるがただの段差だ。NKさん達も「全然股擦りじゃない。」「平ヶ岳の股擦り岩の⽅が股擦りだった。」と⾔っていた。きっといくつもの股擦り岩を超えてきたのだろう。とても頼もしく感じられた。

1100      最後の急登、登坂開始。計画書の地形図を⾒ればわかるが⼭頂に⾄るまでの道のりの中、最初で最後の急かつある程度⻑い坂だ。ここまでくると既に背の⾼い⽊は⾒当たらず⽕⼭由来の⼤きな⽯が点在した⾜場になっている。浮き⽯を踏めば捻挫しかねない。ここもやはり⾜の置き場に注意すべき場所だ。とはいえここまで2時間程汗らしい汗もかかず晴れた空の下のんびりハイキングをしてきて体⼒に⼗分な余裕のある4⼈には⼤した負荷ではなかった。YDさんに⾄っては終始Rさんの⼝調を真似て周囲の地形、環境に関して学術的な解説をしてくれていた。

1130       ある程度⻑いといったが思いの外サクッと⼭頂に着いた。久々の登⼭で地形図から読み取れる情報を過⼤解釈してしまったのかもしれない。あるいは先頭を⾏くYDさんのペース管理の妙であろうか。⾏動から約3時間、これといった難所もなく涼しい気候も合間って結局最後まで汗をかかなかった。

    ⾒渡せば⼀⾯気持ちの良い湿原である。⽊道が設置され⼟壌、植⽣の保護がなされている様⼦は尾瀬を彷彿とさせた。⻘空と緑の湿地のコントラストが⼤変綺麗でとても興奮した。これこそわたしが恋い焦がれていた苗場⼭そのものだ。NKさんとYDさんはHNさんに「こんなの初めて!」などと⾔わせて楽しんでいたが私は初めてではない。いまいちどこの感覚を味わうことをどれだけ待ち望んだことか。⾼校⼭岳部でこの地に訪れてからどれだけたっただろう。よもやこんなにも早く苗場⼭と再会を果たせるとは。これも探検部のおかげである。探検部万歳。⼭部⾨万歳。

1135      YDさんのカメラで記念撮影。終了直後から周囲がガスり始める。

1140       ベンチに腰掛けお昼休憩。霧が晴れる気配はなく⽇が遮られたためか著しく気温が下がり始める。⼭⽤の⻑袖のシャツ1枚だった⾃分はそこからフリース⼀枚、ポケッタブルのダウン(薄⼿のダウン)そしてゴアテックスを上から着るもそれでもある程度寒さを感じた。何より⾟かったのは指だ。軍⼿しか持ってきておらず、防寒⽤の⼿袋を持ち合わせていなかったためかなり冷えた。悴む、という表現を使う⼀歩⼿前ほどの状態である。池塘は既に⾒えなくなっていた。かなり濃い霧だ。というよりもう雲の中なのかもしれない。

1205       名残惜しいが⼭頂を後にした。後ろ髪を引かれる思いではあるが実際に振り向いて未練たらたらに歩いてしまっては下⼭の⾜運びに⽀障をきたす。相⼿は⼭頂直下の急登でありよそ⾒は怪我を招く。ああ苗場よ、あまりにあっさりと⽴ち去った⾃分をどうか薄情だとは思わないでほしい。わたしも本当は幾度も幾度も⽴ち⽌まりあなたの姿を⽬に焼き付けたいのだ。しかしあまりにここは寒くそして⾜場が悪い。

⽴ち去る我が⾝の不実さを呪い、なんと情けない気持ちになることか。

1240       ⼀度⽴ち⽌まり体温調節の時間を設けてもらった。着込んだ上着を脱ぐ。そしてここで初めて振り返った。⼭頂は霧とも雲ともつかない⽩く濃いもやで覆われていた。

1300      ピストン⼭⾏とは往往にして味気ないものと思われがちだか進⾏⽅向を 180 度変えることによって登⼭道の⾒え⽅は変わってくる。⼤したことなかった股擦り岩はさらに⼤したことないように⽬に映った。

1345       下ノ芝休憩。

1355       下ノ芝発。道中は来た道同様ぬかるんでいた。下りということもあり⾜を滑らせることもしばしば。このときYDさんが⾜を滑らせ華麗なステップを決めたのだがNKさんはその光景をいたく気に⼊ったようでこのあと⼣飯を⾷べた店で思い出し笑いが⽌まらなくなる。

1500       下⼭完了。怪我もなく全員が無事に降りることができた。スキー場駐⾞場から下界を⾒下ろせばなんと晴れている。恨めしいと⾔えばそうなのだが今回は⼭頂も途中までは晴れていたのでよしとした。

1530      「⼭の湯」着。苗場周辺はたくさんの温泉施設があった。400 円ほどの湯屋を探していたのだが施設間で談合でもなされていたのであろうかほとんどのお店が 500 円であった。⾵呂場は浴槽が⼀つだけ。洗い場には我々が⽇常シャワーと呼んでいるノズルとホースがセットになった器具はなく蛇⼝の湯を桶にためて流すことでその代⽤とした。湯加減はちょうどよくかなり⼼地良い。

1625      「⼭の湯」を出る。⼣飯をどこでとるかという話になりとんかつ三条が選ばれた。

    ⽴⼭三⼭周回の報告書でMさんが私をこの店に連れて⾏く必要性を語っていたことを思い出した。

1900      とんかつ三条着。ロースカツカレーを頼んだ。もしかすると夏休みにインドに⾏って以来初めての⽇本式カレーかもしれない。NKさんはYDさんが下⼭中⾜を滑らせた光景を思い出し笑いが⽌まらなくなっていた。下⼭中⾜を滑らせること⾃体はよくあることだが右⾜を滑らせバランスを取るために左⾜をクロスさせて着地しさらに両⼿を横にパッと広げる1秒未満の洗練された動きはかの⼤スターを彷彿とさせた。NKさんは「this is it」などと⾔って笑い続けた。

2000       とんかつ三条を出る。⼤学までの助⼿席は私が務めたが未熟なナビでNKさんを混乱させてしまった。⾯⽬次第も無い。

2115       ⼤学着。反省ののち解散。有意義な登⼭であった。

成果

道中⾞窓から紅葉を楽しめた。

⼭頂の池塘の清々しさをたっぷりと堪能できた。

怪我せずに下⼭できた。

(C)活動評価及び補足

●価値洞に伴う費用
共装費 一人930円
●活動付近の情報
風呂場 ⼭の湯 500 円 周辺にも同じような価格帯の⼊浴施設多数
トイレ 苗場⼭⾃然交流センター(⼭頂)に⼀つ。登⼭道の途中にはなし
駐車場 広くはないが狭くもない
飯屋 とんかつ三条
●感想
苗場⼭に初めて登ったのは⾼校の時であった。⽬の覚めるような清々しい池塘の広がるテーブルマウンテンの美しさに感銘を受けたのを今でも覚えている。眺めるべき⼭ではなく登るべき⼭だ。そんな⼭に再び登れたことを⼤変嬉しく思う。

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