部内のクライミングシューズ調査(2018年ver.)

はじめに、これは部内向けというよりはシューズの評判とか室内と外でどう使い分けているのかを調べたい人を対象に書くコラムである。

シューズのレビューの方はコチラを見てほしい。レビューは完全に僕の独断と偏見によって構成されているのでご注意を。

さて、我が探検部ではクライミングシューズをジムと岩で使い分ける人が多く、どのようにシューズを使い分けているのかを調べてみたくこのコラムを書くことにした。まず、みなさんはクライミングシューズをどう使い分けるだろうか。エッジング、スメアリング、ヒールフック、トウフック、外用・・・と、様々な用途で使い分けたり、なんでもできるオールマイティなものだけ持っていたりするだろう。ちなみに僕は外用とスメアリング用、トウフック用の3つの用途を考えて使い分けている。僕の思う中で(尚且つ僕の足形に合う)これら3つを問題なくできるのがソリューションとフューチュラである。ただ、これらのシューズにも欠点はある。ソリューションは少し剛性があるため、スメアリングが少しだけ弱い。ほんの少しだけ。フューチュラはノーエッジの特性のためにポケットホールドに足を突っ込みにくい。あとジムでは基本的にスカルパのフォースを履いている。トウフック以外はそれなりにできる。

本題だが、早速調査の結果を見ていく。集計は卒業生を除く。

室内編

1位 Python / La Sportiva
部内で圧倒的支持を得ているのはパイソン

ではないだろうか。おそらく卒業生、現役生を見ても2人に1人は履いている(もしくは履いていた)ように思える。実際僕もパイソンは履いていて2足目も購入したくらい気に入っている。僕と同様に2足購入している人も少なくない。パイソンはその柔らかさ(スポルティバ内で比較)からスメアリング、トウフック能力が高く、それでいてエッジングもできる。また、スポルティバの強みである踵の作りがしっかりとしていてヒールフックも問題ない。問題点を挙げるなら、ベルクロであるが、ほぼスリッパタイプであるため思い切りヒールフックをすると脱げるところだろうか。あと寿命が短い。

2位 Miura(W’s含む) / La Sportiva

色々考えたが、室内でもミウラーを使用している人は多いと思った。購入して間もないころの履きならしでもあるが、ジムでも普通に使用している人が多い。何より所持率が抜群に多いと思う。コレもパイソン同様、部員が一度は通る道なのではないだろうか。恐らく履いたことのない人の方が少ないだろう。また、部内でリソール率の高いシューズもミウラーである(独断調査)。後述するが、外での使用率No.1はミウラーである。

3位 ROGUE(W’s含む) / 5.10

3位に非常に迷ったが、よく考えると、

ローグからクライミングを始めている人が多数

だと気付いた。エントリーシューズが続々と出てきている中、ずっと愛されている1足なのではないか。その理由は安さとステルスソールの強みだろう。他のエントリーシューズは頑丈に作るためか、メジャーなソールではなく別のものを使用している。そのために評判はあまり良くない(独断調査)。しかし、このローグは安心と信頼のステルスソールを使用しているため、初心者のレベルアップの手助けになるはずだ。

外編

1位 MIURA(W’s含む) / La Sportiva
外用と言えばコレ!

的な風潮が昨今の部内ではある。それもそのはず。ミウラーさえあれば大体は応用できる。外ではトウフックをほとんど活用しないため、弱点を気にせず登ることが出来る。むしろ強みのヒールフックがばっちりと効くため、外には必ず持っていきたい1足である。実際、僕はクライミングを初めて1年経って購入したが、リードで言うと5.12台をいくつか登ったし、ボルダーで言うと多くの初段から二段までミウラーで登った。シビアなフットホールドにも乗れるし、レースアップの特権で足のフィット感が最高である。外で使うのであれば欠点の少ないシューズだと思うから、履いたことのない人は是非一度は使用してほしい。

2位 HIANGLE(W’s含む) / 5.10

比較的最近発売されたシューズで、今となってはジムや外で見ないシーンは無いくらいに普及している。日本のワールドカッパーも数人履いているし、絶大な人気を博している。日本人にとって、5.10のヒールに作りは合わないという声をよく聞くが、ハイアングルはそれを改善してきて、今までの5.10のシューズよりだいぶ良いらしい。さらに、5.10の中では幅が広く作られているため結構万人受けするのではないだろうか。剛性がありダウントウもしっかりと作られているため、足のパワー不足の手助けになるだろう。実戦投入したことがないから、推測で語ってしまったが、支持率の高さから汎用性の高いシューズと言える。

3位 Instinct VS、Instinct VSR / SCARPA

これら2足のシューズは別物だ!と主張する人にとっては異議を唱えるかもしれないが、近似しているシューズのため一緒にしていく。そうでもしないと混戦しているからランキングがつけられない。さて、このシューズは足入れが非常に良くない。しかし、足が入れば程よい拘束力と程よい剛性が迎えてくれる。1本ベルクロであるが、その拘束力からシビアなヒールフックをしても脱げることはほとんどない。シューズレビューに色々書いたため詳しくはそちらを見て頂きたい。特にコレといった弱点が無くなんでもこなせるシューズとして信頼を置けるし、結構頑丈なため長続きする。室内で使用しても問題ないくらいである。

番外編

使用率が高いわけでは無いが部内で目立つシューズを列挙していこう。

SPEEDSTER / La Sportiva

コレにこだわっている人がいて、MAVERINKが出ている中でもスピードスターを履き続けるこだわりがあるらしい。ノーエッジシューズはFUTURAがREBOOTを出しているようにだんだんと普及してきている。正直僕もフューチュラを愛用していてノーエッジシューズの強みを知っている。しかし、スリッパタイプが好きではないためスピードスターやマーベリックを避けてきた。あとスピードスターはフューチュラより柔らかいらしく柔らかいノーエッジシューズが欲しければスピードスターが良いのかもしれない。

あと、FUTURAの所持率も上がってきているし、GENIUSを所持している人もいる。部内でノーエッジのブームが来ているのかもしれない。

SOLITION / La Sportiva

ランキングに浮上しなかったが、部内ではなぜかこのシューズを敢えて避けている風潮がある。「強くならないと履けない」とか「○○くらいのグレードに達しないと履けない」とか部内で言われているが、正直このシューズを履いてレベルアップしてほしいと思う。これまで完成されたシューズを体験しないのはもったいない。室内でも外でもその性能を味わえば感動する。だが、2018年も終盤になる時に徐々に所持率が上がってきている。みんな殻を破れるように頑張ってほしい。

Oasi / tenaya

このシューズは部内で時々現れ、時々姿を消すことがある。残念ながら使用率が高いとまでは言えない。しかし、tenayaの中ではフレキシブルなシューズで、日本のトップクライマーを支えるシューズでもある。tenayaの良い所として、シューズを履いてもあまり痛くない(個人差有)点ではないだろうか。僕もINTIを愛用しているが、ちょうど良いサイズでも痛くなく、しっかりと性能を発揮できるため重宝している。オアシは室内での使用率が高め。

以上が新潟大学探検部の2018年、クライミングシューズ使用率ランキングである。率直なことを言えば変化球はあまり無く、現在よく履かれているシューズが無難にランクインしているだろう。先述したが、パイソンの人気はここ数年落ちていないように見える。それほどまで性能が良く、我々のクライミングを支えているシューズなのである。また、ランキングに無いシューズでも性能の良いシューズが発売、開発されてきているためこのコラムを完全にあてにするのではなく、自分の足に合う、ニーズに合うシューズをぜひ選んでほしい。

投稿者:TN

最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP