城山クライミング【2023.2.24-26】

共同装備60スリング×10、120スリング×8、180スリング×4、240スリング×3、クイックドロー×65、安全環付きカラビナ×20、カラビナ×19、ヘルメット×6、シングルロープ×5、ダブルロープ×2、FAK、銀マット×7
個人装備ハーネス、チョークバッグ、安全環付きカラビナ、ビレイ器、クライミングシューズ、防寒着、行動食、水、ヘッデン、スマホ、保険証、お金
服装要防寒(脱ぎ着しやすいもの)
天気雨のち晴れ
気温1~12℃

1日目

1:00 部室集合
寝坊など特に問題なく全員集合し、装備を持って佐々木さんカーに移動。立体パズルゲームを何とかした結果、後部座席は2人がぎゅうぎゅうになって座ることになった。

9:00 駐車場着・アプローチ開始
曇り気味だったが気温は高く、虫が活動を始めていて驚いた。じゃんけんで持つ荷物を決め、アプローチ開始。駐車場の目の前から城山ハイキングルートに入り、15分程山道を歩くと岩場に到着。ハイキング道は浮石や滑りやすい場所もあったが、山朝よりは全然楽だった。しかし暖かかったのでダウンを着たまま登ると汗だくになった。

10:00 南壁着
南壁に到着すると、既に1組のクライマーがいたが平日ということもあってか他にクライマーはいなかった。アプローチ中は非常に暑かったが、ダウンを脱ぐとすぐに肌寒くなってきた。何か撮影しているのかドローンが飛んでいた。
まずはトポを見ながら何を登ろうか考えてみるが、とにかくルートがわかりづらい。ボルトの数が変わっていたりして、どれがどのルートなのか見極めるのが難しかったがなんとか特定できた。

10:50 登攀開始
下級生男子3人は最初に5.10aのジプシーマリーを登ることにし、かいとさんがマスターしてくれた。続いて太郎もフラッシュ。1ピン目が高くて少し怖かったが、自分もフラッシュできた。上部は10aにしては少し難しいような気もするが自分はCAMP4しか知らないので何とも言えない。
かいとさんがマスターしている間に陽生さんと佐々木さんはマルチのバトルランナー5.10bを登り始めた。その隣でほのかさんがアナザステップ5.9をマスターしていたのだが、トポに載っているものとボルトの数等が変わっているようで終了点もよくわからず、別の終了点にかけることになった。
その後ここみもアナザステップをフラッシュしたようだ。

ジプシーマリー10a

突然、佐々木さんの「ラーック!!」と叫ぶ声が聞こえて上を見ると、2つの石ころが落ちてくるのが見えた。今回は自分たちに当たらないことがわかったのでよかったが、落石があった時は壁に張り付くのが比較的安全らしい。岩場では常にヘルメットを被っておいた方が良い。

13:00
かいとさんがスナッチ11dのマスターを試みたがしっかり引けるホールドが無いためマントルがどうしても返せず、20分以上格闘したが諦めた。ここみがジプシーマリーをトップロープで登ることになったのでかいとさんが登ってトップロープに掛け替えてくれた。3ピン目辺りからホールドが見つけづらく難しいため、ここみは足場がある左の方から攻めて行ったが、テンションをかけた時に大きく振られるので上手く壁を蹴れないと危なかった。なかなか難所を越えられなかったが小雨が降る中諦めずに何度もトライしてトップアウトしていた。

14:30
時々雨がパラついたがなんとか天気は持ちこたえた。
かいとさんが仰げば尊し5.10dをマスターして、続いて太郎と自分もフラッシュした。
初めて終了点やクイックドローの回収をして、自分のクイックドローを買った方が良いと言われるわけを理解した。
そのころ佐々木さんと陽生さんは豆粒みたいになっていた。

仰げば尊し

15:15
2人がバトルランナーを登り終えて降りてきた。4ピッチでも登れるが経験を積むため区切って6ピッチで登ったらしい。奇数ピッチは陽生さんがリード、偶数ピッチは佐々木さんがリードした。

‐‐‐‐‐以下佐々木さん&陽生さん執筆‐‐‐‐‐

1P目 5.8 ボルト5本? 20m
フットホールドが小さめで、5.8にしては緊張感のあるルートだった。足を信じて立ち上がる。
2P目 5.7 ボルト3本 5~7m
右に大きくトラバースしてから簡単なスラブ。練習のためでなければ1ピッチ目とリンクするのが良さそう。
3P目 ボルト3本? 5~10m
ハンドホールドもフットホールドも明瞭で落ち着いてこなせば問題ない。
4P目 5.10b ボルト8本? 20m
核心ピッチ。ハング下に終了点があるが、これは偽の終了点で、ここでピッチを切らずにスルーしてハング上の終了点でピッチを切るのが一般的。マルチピッチルートスーパーガイドでは偽物の終了点含めて中間支点が6つの表記だが、実際には8個(9個だったかも?)あった。また、核心ピッチなのにボルトがなぜか錆びたカットアンカーになる。今までケミカルかグージョンだったのに、核心ピッチで突然信用できないボルトが出てきて笑った。弛み等はないので、相当なドカ落ちをしない限り大丈夫だと思うが….。そして、マルチピッチルートスーパーガイドに騙されてギリギリのヌンチャクしか持ってこなかった我々は、いくつかのボルトを飛ばして登ることを強いられることになった。核心のハングまでのスラブは簡単そうなので、そこまでの4本(たぶん)のうち2つを飛ばす。めちゃくちゃランナウトしてやばかった。
ハング超えはトリッキーなムーブはなかった気がするので、ホールドを探すことができ、それで体を引き上げることができればなんとかなると思う。露出感のあるムーブになるので、気合と根性が大事。
5P目 5.6R ボルト3本 20m
ホールドもガバが多く登りやすいが、かなりランナウトしている。ボルトが8~9mに1個ぐらいの間隔なので注意が必要。
6P目 5.7R ボルト3本 20~25m
最終ピッチ。やさしいスラブだが、20m超のルートにたったの3つの中間支点しかないので、絶対に落ちられない。ドローンが撮っててくれたのでイキってスピードを意識して登った。
3つ目のボルトにクリップした時点では終了点が見えず、信じて登ったら右上の方にあった。結構わかりにくいので、迷子になって上に登ってしまわないように気をつけたい。
また、最後の方で岩が剥がれ、大きくはないが落石となって落ちていった。浮石などではなく、ホールドっぽい岩が剥がれたので結構驚いた。岩は全体的に安定しているように見えるが、たまにそういう岩もあるという風に考えておいた方がよさそう。もし踏んでいたらかなりの距離フォールしていた。
また、フォローで登ってきたようせい曰く、1ピン目がいつのまにか外れており、ロープを引き上げているときにはようせいの手元にあったらしい。もし登っているときに外れていたとしたら10mくらいフリーソロしていたことになるが、たぶんロープ引き上げの際にロープが干渉して外れてしまったものと思われる。そう信じたい。
懸垂下降
かなり時間がかかったが、2人とも全ピッチオンサイトし、クライミングは完璧な形で終えることができた。
終了点で感慨に耽るまもなく懸垂下降開始。
佐々木の懸垂下降に関する記憶が曖昧で、ロープをまとめるのに若干手間取った。また、プルージックの記憶も曖昧で、かなり適当に作った。それでも止まってたし、プルージックはあくまでバックアップなので、制動手を離さなければ問題はないが、もっと根本的な記憶が無くなってたらやばかった。横着しないでちゃんと復習しよう。
4P目の終了点まで懸垂下降し、そこで一旦セルフビレイをとって、そこからは一気に地面まで。50mダブルロープ2回でギリギリ地面まで届いた。
クライミングは悪くなかったが、手際の悪さによりかなり時間がかかってしまった。今回は天気も致命的ではなく、他のパーティもいなかったためよかったが、これが休日のセレクションだったりするとかなり困っただろう。
忘れていた部分も含めて、しっかり復習して、次は倍以上の早さでワークがこなせるようにしたい。
また、ロクスノで紹介されていたのをみたので、なんとなくバトルランナーは「全ピッチボルトでよく整備されているスポートマルチ入門」的な位置付けだと勝手に考えていた。しかし、実際はランナウトが非常に激しく、時々怪しいボルトも出てきて、上部では若干脆い岩も出てくるような、決して「入門的ルート」とは言い難いものだった。もしこの辺りを勘違いして登ろうとしている方がいればやめておいた方がよい。決して5.10代がギリギリ登れるくらいの人間におすすめできるルートではない。
内容は素晴らしのだけれど…。
反省点
マルチではヌンチャク、スリング、カラビナはいくらか余分に持っていく。
プルージック、懸垂の手順などをもっとしっかり確認する。
オンサイトが最優先ではあるが、危険にならない程度に情報を集めておく。

16:00
かいとさんが再びスナッチに挑むも敵わず、佐々木さん、陽生さんもマントルを返せなかった。小雨で濡れていなければ印象も変わるかもしれない。次に城山に来たときは自分も挑戦したい。回収は陽生さんが何とかしてくれた。

17:00 撤退
下山してテント場に向かった。テント場に荷物を置いてお風呂と買い出しに出発。大仁温泉一二三荘という昔ながらっぽい雰囲気の宿で熱めのお湯に入って体を癒した。業務スーパーとアピタで買い物を済ませ、夕食。夜は全然寒くなかったのでぐっすり眠ることができた。

2日目

6:00 起床
朝起きるとすぐそばにある城山が霧で見えなくなっていた。朝食を済ませ、荷物を積んで出発。

8:00 駐車場着・アプローチ開始
林道峠広場と書かれた看板があるスペースに駐車した。路肩にある狭い駐車場なので、荷物の積み降ろしをする際は車道に出ないように注意が必要。各自ロープ等をザックに詰めてアプローチ開始。原理はよく分からないが重い物はザックの上の方に入れた方が安定するらしい。天気が良く、初日より暑くなりそうだったが上着をしまえるスペースがないので着たまま歩いたが案の定暑すぎたので、途中からザックと背中の間に挟んでおくことにした。約30分山道を歩き、9時にワイルドボアゴージに到着。なかなか険しい道だったので、重いザックを背負って歩くのはハードだった。ワイルドボアにはかなり多くのクライマーが来ていた。

WILDBOA GORGEの標識の先はゴツゴツした岩場や、足を踏み外すと斜面を転がり落ちるような狭い道があるので気を付ける。

9:50 登攀開始
まずはチューブロックのイスタンブール5.8をかいとさんがマスターし、太郎もフラッシュ。
ここみはまずトップロープで登った後リードで登り、レッドポイント。自分もフラッシュしたが意外と難しく、5.8とは思えなかった。
陽生さんはスーパースター5.12aにトライしたが、クイックドローをかける際に3ピン目辺りでマントルを返してレッジに乗り込む必要があり危険なため断念。このとき自分がビレイしていたが、斜面だし泥で滑るし足元の石を蹴ってしまうと落石するしでとにかく足場が悪かったのでとても怖かった。陽生さんが落ちた衝撃を安定した姿勢で受けれず、壁に両膝を打ちつけてしまった。ランニングシューズしかなかったので、滑りにくいアプローチシューズがあればマシだっただろう。
佐々木さんはロングディスタンス10dをマスターしていたが、ロアーダウンの途中でロープの長さが足りず、途中にあった別ルートの終了点で区切って降りてきた。

12:50
かいとさんがOVER DRIVE 5.11dにトライするも完登ならず。全体的にスローパーが多く手のひらが疲れるルートらしい。核心も含めてムーブ強度は高くなかったが全体的にホールドが遠く、核心後のスラブはホールドが不明瞭だった。
太郎はロングディスタンスに挑戦していた。2ピン目を掛けた後が難しいようで、何度かテンションをかけたがどうにか突破した。そこからしばらくはスラブになっていて簡単そうだったが、頂上付近で少し難しい箇所があり、足に疲労が溜まった状態で頑張ってトップアウトしていた。降りてくると、何度か切ってあるそうだが元々80mのロープがギリギリ足りた。頂上まで40m近いとは、その名に恥じぬルートだ。
自分もロングディスタンスに挑戦し、2ピン目で落ちた。その後はノーテンションでトップアウトできたので、最初からもっと慎重に登っていればフラッシュできたのに…とつい考えてしまう。頂上付近ではさすがに少し足がすくんだ。かなり大きい声で「テンション」と言ったつもりだったが聞こえなかったようでもう一度叫んだ。もっと腹から声を出すように頑張ろう。

ロングディスタンス

17:00
最後に陽生さんがOVER DRIVEをマスターオンサイトした。以下陽生さんの感想。
全体的にストレニュアスなルートだったように感じた。ただ現場処理でゴリ押したところもあったため、しっかりムーブを出してトライすれば城山の辛いグレード感の中では比較的標準的なグレード感で登りやすい5.11dだと思う。5.11dというグレードをOSできたことがかなり嬉しい

陽生さんが降りてきてすぐ撤退し、湯~トピアかんなみで風呂に入ってアピタで買い物をして夕食。

3日目

8:40 南壁着
日曜で天気もいいのでたくさんのクライマーがいて、ガイドで来ているらしい人たちもいた。
そして新潟ではずっとなんともなかったので油断していたが、花粉がやばい。目は痒いしくしゃみも連発した

10:00 登攀開始
佐々木さんはフレンチドレッシング5.11cに苦戦しながらもトップアウト。しかしトポではあるはずのボルトと終了点が無いらしく、別の終了点に掛けて降りてきた。
陽生さんが隣のハートルート11aをマスターし、佐々木さんとかいとさんはフラッシュ、太郎と自分は何度かテンションを掛けて登りきった。

12:00
佐々木さんはもう一度フレンチドレッシングにトライし、完登。

14:00
ここみが東南壁のウォーミングアップ5.8をトップアウト。自分も登って上から景色を撮影し、終了点を回収。
太郎と自分はもう一度ハートルートにトライして2人とも完登した。ムーブが分かってしまえば難しくは無かった気がする。陽生さんも回収のときに完登した。

17:00 撤退
帰りに足柄SAで夕飯を食べて、OBの方たちがインドにクライミングしに行くドキュメンタリー動画を見たりしながら帰った。じゃんけんでロープと鍋を洗う人を決め、自分は真っ先に負けたので一番長そうなロープを洗うことになった。2時半過ぎに解散。

成果

陽生さんバトルランナー5.10b OS、OVER DRIVE 5.11d mOS、ハートルート 5.11a、
フレンチドレッシング 5.11c
佐々木さんバトルランナー5.10b OS、ハートルート5.11a FL、フレンチドレッシング5.11c RP、
ブラウンシュガー 5.11a OS
海杜さんジプシーマリー 5.10a mOS、仰げば尊し 5.10d mOS、ハートルート 5.11a FL、
フレンチドレッシング 5.11c RP
ほのかさんアナザステップ 5.9
太郎ジプシーマリー 5.10a FL、仰げば尊し 5.10d FL、ロングディスタンス 5.10d TO、
ハートルート 5.11a RP
心海アナザステップ 5.9 FL、ジプシーマリー 5.10a TO、イスタンブール 5.8 RP、
椿の森の中で 5.9 RP、ウォーミングアップ 5.8 TO
原田ジプシーマリー 5.10a FL、仰げば尊し 5.10d FL、イスタンブール 5.8 FL、
ロングディスタンス 5.10d、ウォーミングアップ 5.8 FL、ハートルート 5.11a RP

感想

新潟との気候の違いが想像以上に顕著だった。蛾がいたり、夏鳥のサンショウクイが鳴いていたりして驚いた。何より花粉がきつかった。ビレイ中に滑って危なかったし、アプローチも険しかったので、ランニングシューズで行くのはやめたほうがいい。アプローチシューズが必要。落石が非常に多く、かなり大きな石も落ちていたので怖かった。今回は幸い事故にはならなかったが危険な状況が多く見られ、今後安全に活動するための良い経験になった。

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