【日本再興戦略】
落合陽一著、2018、幻冬社
これまでの日本の統治機構や体制、現在の日本の姿を踏まえ、これからの日本が進むべき道を示している一冊。
現代の魔術師と言われ、日本のみならず世界中から注目を集めている著者が鋭い視点で様々な言葉を再定義し、再構築しようとしている。
本書では、そもそも「欧米」という言葉を再定義することから始めようと述べている。
これからの日本人にとっては、西洋的人間性をどうやって超克して、決別し、更新するかが重要であり、ポピュリズムやグローバリゼーションの民主主義の限界、マスによる意思決定は非常に難しいと述べられている。
民主主義が21世紀の今、もはや限界に達していると伝えている。ここでは詳述できないが、その根拠なども本書では伝えられている。
個人的には、日本の産業を士農工商に置き換えて考えている点が面白い。
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商は価値を生み出せない人々であり、既存の制度に乗っかっている人々、金融や弁護士などが該当する。
もっと百姓の地位が上がらないといけない。なぜなら、百姓はさまざまな価値を生み出すことに長けているからである。
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タイトルにある通り、全体を通して日本を肯定的にとらえている。この制度は変わらなくていい、この仕組みはこうなるべき、この考え方は時代の流れに反している、とバッサリ切っている。
手放したくない一冊。これからの日本の歩む道のコンパスになると思う。
日本がいま置かれている状況を、西洋と東洋の比較や、大和朝廷に至るまで歴史的なことにも触れている。著者は、日本は制度が大きく変わってないことから、現代ではなく、近代に今の日本はいるという。
うーーん、目から鱗だ。
うまく説明できないけど、メチャクチャ刺激的なことが書かれている。
グサッと刺さったのは、「手を動かせ。まずはやってみろ」というメッセージ。
探検部もパイオニアワークを起こして行く集団として、学べることが非常に多い一冊である。
#鈴木読書
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