サハラ砂漠に挑む【鈴木読書】

【サハラてくてく記 リヤカーマンの=アフリカ大陸横断11000キロ】
永瀬忠志
山と渓谷社、1994

クレイジージャーニーに出演していることで著者を知った。聞くと、リヤカーを担いで地球一周以上にのぼる4万キロを踏破しているという。その功績から、優れた冒険家に与えられる植村直己賞を受賞しているという。

本書は日本列島、オーストラリア大陸などさまざまなフィールドでリヤカーを引き続けてきた著者が記したアフリカ大陸横断に関する一冊である。

子どもの頃から身近に一輪車があった著者。大学一年の頃には自転車で日本一周を達成し、歩くことは出来るだろうか、リヤカーに荷物を積むのはどうだろう、と考え、70日かけて日本列島を徒歩縦断したという。
個人的には、この発想の転換が凄まじい。チャレンジを達成した者は、より大きなチャレンジを求めるのかもしれない。

ケニアからパリまで11000キロ、1年かけて踏破する本書は、驚嘆の一言である。
非常に重たいリヤカーを担いで一日40、50キロも歩くと言う。時にサハラ砂漠に足を踏み入れ、10キロ程度しか進めない日もあると言う。
著者が何度ももうやめたい、何でこんなことをしているのか、、自問自答しつつも道中に触れる人々とのふれあいに支えられていく様が観察できる。
これを読んで、自然の中で肉体的につらかった経験は、振り返った時に最高の肴になるという自論を思い出した。
お遍路はメチャクチャツラかったけど、今思えばいい思い出である。

斬新な旅のスタイルに魅了される一冊でした。これからサハラ砂漠に挑む友人に捧げた一冊。

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