ワインづくりのパイオニア【鈴木読書】

      2018/04/15

【僕がワイナリーをつくった理由】
落希一郎著、ダイヤモンド社、2009

今日はカーブドッチのお話。
新潟市の南部、角田浜にカーブドッチが誕生したのが1992年。その後、温泉、宿泊施設、カフェ、レストランなどさまざまな展開を見せている。
その中でも私が訪れたことがあるのが、駅前のレコルタカーブドッチである。
分かりやすく言えば非常にオシャレな空間であり、学生でも頼み方を工夫すれば十分に楽しめる場所である。

本書では、著者であり創業者の落希一郎氏が持つワインへの途方も無い情熱に触れることが出来る。一言で言えば、純国産ワインづくりのパイオニアである。

 

そもそも、世界の美味しいワインは食べるブドウからではなく、ワイン用のブドウから作られているという。
しかし、日本にはワイン用のブドウを使用して作るワインが存在しなかったという。
その理由を知るためには、明治までさかのぼる。
一時期は、明治政府が欧州種のワイン用ブドウ苗を輸入し、全国各地の官営の農場で試験栽培していた記録があるらしい。しかし、これらはその当時ヨーロッパに大発生した害虫(フィロキセラ)が原因でほぼ全滅してしまったという。
その結果、対応策として当時既に国内で栽培のはじまっていた食用ブドウからワインを醸造することが考えられ、いつしかこれが主流になってしまったのである。
結果的に、日本はこのターニングポイントで世界の潮流から外れてしまったのだ。

一方、ワインの本場ヨーロッパではどのように対応したか。ヨーロッパでは、偽物ワインが市場に溢れ、悪貨は良貨を駆逐するという現象が起きてしまった。
それを解決したのがワイン法と呼ばれる制度である、原産地制度である。
この制度は、ブドウの最大収穫量、剪定法、栽培法、土壌改良に関する条件などを規定することで良質なワインを確保した。

 

読み進めて行くと、ワインづくりへの圧倒的なこだわりを感じることが出来る。
これは、三条市に本社を置くスノーピークにも通じるところがあると思った。
少しのお客さん、つまり自分たちが伝えたいと思うお客さんに理解してもらえればいい。
本当に納得できるものしか売らない。
このこだわりは、ものづくりを得意とする日本が生き残っていくために、さまざまな分野の企業に求められる思考のシフトだと思う。

同じ新潟にいる者として、未来を切り拓く姿勢は学ぶところが非常に多い。
同じパイオニアワークを旨とする存在として、挑戦し続ける勇気をもらえる存在である。
#鈴木読書

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