比叡山マルチ【2016.2.20-28】

報告者 inue

目的 比叡山を楽しむ。屋久島に向けたトレーニング?

場所 宮崎県日之影町比叡山

日程 2016.2.20-21移動。22-26クライミング。27-28帰路。

メンバー CL記録 inue(1) SL装備車 tkhrさん(5)

共同装備 60mロープ×2、50mロープ×2(予備)、カム、ナッツ、60スリング、120スリング、ビナ、捨てなわ10m、ゴアライト、ファーストエイド、食器類

備  考  当初、今回の活動の後は屋久島でのクライミングにつなげる予定だった。しかし、tkhrさんの研究室の関係で屋久島までいけない可能性が高くなっていたので比叡山マルチの後、帰らざるを得ない状況での活動だった。あと、記録長くなりそう……。

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 行程

2.20-21(土)(日) 移動。全国的な雨。

0200部室集合―0300部室発―1730兵庫県赤穂市丸山県民サンビーチ着―2000就寝

0400起床―0510発―1650宮崎県比叡山トイレ前駐車場着―2230就寝

今回の活動は節約のため車での移動。すべてtkhrさんが運転。tkhrさんが寝れなかったそうなのでかなり眠そうであった。途中休憩を多く含んだため実際に運転した時間は上記の時間より短い。一日の移動距離は700㎞程。inueが一瞬運転した、妄想探検部内あいのり、tkhrさんのドリフト、人無県山口、学校無県大分、などなどいろいろあった。細かい各県の通過時間や、出来事は比叡ノートをご覧あれ。

日之影町にあるAコープにより1650に比叡の駐車場についた。写真で見た場所である。まだ時間があったので明日登る予定のTAカンテを含む一峰のスラブに向かうアプローチを確認することに。トポを参考にしながら進みそれらしき場所を見つけた。しかし1p終えたら上の方はずっと歩けそうなほど木などが茂っていた。途中で道路の方に車が止まる音がした。まぁ時間も時間だったのでとりあえず引き返すことに。駐車場に戻ると車のワイパーに紙が挟んであった。そこにはボルダ―組からのメッセージが!「生きて帰ってこいッ!」。そのメッセージに二人は涙を流し、決意を強くしたのであった。それから明日のギアの準備を済ませ、夕食を食べ、明日に向けて早く寝ることにした。この時点での天気予報が22の午後から雨が降り、23まで天気が悪いとの予報であった。天気予報を見ながら22はTAカンテ1本だけかなとか思いつつ、チッキっしょーッ!

 

2.22(月) 夕方から雨、夜中も雨

0500 起床、食事。今回の活動は節約するため朝もコメを炊いた。朝は氷点下で、来る前は南国クライミングで半袖で行けるっしょ、と思っていた自分はカスだった。テントも車に固定をして出発。

0710 アプローチ開始。トイレ前駐車場はアプローチ道まで0メートルという距離である。しかもクライミングをする日はすべて平日なので全日程で壁を貸し切り状態であった。もちろんたとえ人がたくさんいたとしても、ルートの総数が多いので順番待ちなんてことはおそらく生じないだろう。というか九州にクライマーが少ないのではないだろうか――。今朝にtkhrさんがTAカンテの取りつきは、やっぱもっと上じゃないか、とのことなので昨日行った場所よりさらに奥に行くと踏み跡らしきものがあり、奥には壁が見える。どうやらそこが正解らしい。さらに親切なことに取りつきには各ルートがわかるような看板が立ててあった。

0725 取りつき着。TAカンテの取りつきだけでなく比叡はとても整備されていた。どこの取りつきにも看板があることが多く、駐車場横トイレにまで案内の看板が立っていた。整備の方々が頑張ってくださったのだろう。この地に住んでいるらしいが…。アプローチ道は岩を落としやすかった。

0745 TAカンテⅣ+5p登攀開始。今回は全日程ツルベで。比叡のルートは簡単な部分とナチュプロできるところには極力ボルトが打っていないので、時にはかなりランナウトする必要があった。TAカンテもボルトが全然なかった。もし落ちればダズさん以上に落ちるだろう。しかしとてもeasyなrouteだったので難なくどのピッチも登れた。なので特記事項はない。強いて言えばtkhrさんのシューズによる足の痛み。以前のモカシムよりも緩い新しいミウラ―での初外岩。1p目を登ってる途中でシューズ脱いだりしてたので、tkhrさんがリードし終わったあと、inueは下でション便してやがった。

1010 終了点着。225で5p。なかなか。だがまだいける、はず。ここからリッジを歩いて登山道に入り下山をすることができる。

1020 終了点からリッジまで少し上がるのがinueは怖かったそうなので、tkhrさんにロープを出してもらい、inueは上がった。それから落ち着いた場所で少し休憩をした。

1100 リッジを歩き登山道入り口に着いて下山開始。このリッジはかなり怖い。ロープなしなので落ちたら死。しかもかなり岩があり全く歩くという感じではない。毎回ここが緊張の場面なので気疲れする。はぁ、地面にいることの安心感――。

1130 駐車場着。下山は急。常に真下を向いて下りる感じなので、二人とも首がつかれた。

今日はこれから天気が悪くなることがわかっていたので、大事を取ってもう登らない。結果的には暗くなってからだったのでもう一本行けたけど、仕方ない。ぐあぁ。時間があるので今後登る予定の1峰2峰3峰のアプローチを確認(ロックタワー除く)。また、inueはtkhrさんにカムナッツの使い方を教えてもらい、練習した。結構難しい。慣れるまで練習が大事だと思った。今後も使えるところでは実戦で使っていこう――。

1530 温泉に向かう。ニキおじさんに運命の遭遇。日之影温泉に向かったが毎月第4月曜が定休日というピンポイント。なので、ボルダ―組に教えてもらった高千穂温泉に向かうことに。途中、‘神話と伝説の町 神都 高千穂’の観光地である高千穂峡を観光し、温泉へ。

1915 高千穂のazuro(アズーロ)というスーパーへ。買い出しを済ませ今日は仲組公民館のグラウンドで泊まることにしたので、向かう。

2010 仲組公民館のグラウンド。渓谷にあってグーグルマップにも道が出ない。えらい場所にあった。隠れ里という以上に人がいなそう。Docomoしかつながらない。公民館の中は明かりがついている。クライマーだろう、と思っていたらボルダ―組であった。生きて帰ったぜ。今夜は雨が降っているグラウンドで就寝。スラブも濡れてるんだろう。全然エロくないね。

2240 就寝。

 

2.23(火) 午前中雨。その後は曇り。

0830 起床。食事。駐車場にいない時点であきらめているので遅めの起床。公民館にはボルダ―壁があり、使用料寄付制。有名人の名前も。ボルダ―マット必須らしいので、僕らは1130まで長いこと卓球をした(あったので)。上達した。その後さらに上流の白滝温泉に行った、が秘湯過ぎてつぶれていた。いたのは温かい老人のみ。1200頃日之影温泉へ行って無料の足湯と休憩。

1400 温泉を出て、買い出し、給油、ごみ捨て、比叡山下の駐車場まで向かった。このときのAコープには活動1の若いかわいい子がいた。駐車場には自衛隊の車が4台停まっていた。何かの訓練だろうか。なのでちょっと山道を走り再び戻る。壁は真っ黒にぬれている。明日の朝もルートを選ばないと登れないと思われる。はぁ――。そしてtkhrさんは現地の酒を飲む。ただ天気予報だとあと3日は曇りとか晴れで何とか登れそう。

1830 夕食。

1930 就寝。

 

2.24(水) 曇り

0500 起床。食事。いい加減登りたいので、壁が登れる可能性にかけ早めの起床。でも寒い。壁はまだ濡れている。いつまでぬれてるんだよ。風邪ひいちゃうゾッ♡しばらく寒さとぬれ具合の様子を見ながら登り始める。

0910 第一スラブルート(ノーマル)Ⅳ+8p登攀開始(スーパー)を混ぜつつ。

このルートの取りつきまでは駐車場から1分。というか道路から見える。やはりボルトは少ない。1p目Ⅳ.――inueリード。簡単。2p目Ⅲ.――ここでノーマルとスーパーに分かれるが、スーパーの方が難しそうなのでノーマルを選択。3p目Ⅳ+.――inueがカムの練習に二つほどセットして登る。そしてフォローのtkhrさんを待つがなかなか登ってこない。どうしたんだろう。どこか難しいところでもあったかな。と思ったが10分ほどで登るのを再開。そして上がってきたtkhrさんが一言。「カム回収できなかったよ(‘_’)」。inue「…(-_-;)すいません」。どうやらロープに引っ張られてカムが上を向いてカムが奥に入ってしまい回収ができなくなったと考えられる。失ったカムはマスターカムの#2。苦い思い出となった。4p目Ⅳ+.――亀の甲羅スラブがあるルート。初めにちょっとしたクラックがあり、二人とも落ちた。ちゃんとロープ貼り気味にしておいてよかったな、とひやった。フォローのinueが落ちたときはtkhrさんは気づかなかった。黙ってれば……。やはりクラックの登りは練習しないとちっとも出来んですばい。そのあと亀の甲羅スラブ。小さいクラックが刻まれていてそれが甲羅のようになっている。想像してご覧。なかなか面白かった。tkhrさんはほぼナチュプロで登ってやった。こうやるんですよ( `―´)ノ、と言わんばかりに。5.6p目Ⅳ+,Ⅳ-.――つなげてしまった。アンカーできそうな場所が見当たらなかった。しかしフォローのtkhrさんは見つけたそう。狩野さんともあったし、よくあることなのかな、と予想と反省。7p目Ⅳ-.8p目Ⅳ-.――つなげるところでロープの流れを考慮し、いったん切ってトラバース。

1345 終了点着。435で実質7p。いろいろあったからその分は長いが。でも長いの登れてよかった。総じてなかなか良いルート。ほとんどノーマルの方を登ってしまったので難しいスーパーの方でも登りたい。あとずっと寒かった。風は強くて壁から引き離されそうだし、鼻水垂れるし。次行くならカムの回収を!

ロープの片づけとか写真撮ったりして休憩した後、月曜よりも長い緊張のリッジを再び歩いた。風強いから本当に怖いんだけどッ!

1430 登山道で下山。リッジを抜けて緊張がほぐれた。やはり首疲れるわぁ。

1500 下山完了。時間がないので駐車場に寄らず、そのまま3pだけのロックタワーの取りつきへ向かった。しかしまったく取りつきが見つからない。初日に見つけておくべきであった。しばらく探してようやく取りつきを見つけた。よし、時間がない、登るぞ!と急いだ。

1520 1p-「」、2p目-第1スラブルート(スーパー)Ⅳ+ /7p登攀開始。

1p目――inueリード。簡単であった。途中にはボルトが一本のみであった。そして開いたところに出るとそこは今日1で登った場所と同じであった。inueは今朝と同じ木にアンカーを取ってビレイをした。第1スラブルートに来ちゃったよッ!二つともトポだと隣なので取り付きが1スラに寄りすぎた。仕方ないので今朝いけなかったスーパーの方を途中まで行くことにした。2p目――意外といける。それほど難しいわけでもなかった。

1620 2p目終了点着。1630をlimitにして登っていたのでここで下降することにした。スーパーの方も登れてよかったが、ロックタワーの取りつきをちゃんと見つけたかった。懸垂下降開始。懸垂下降は2回に分けて行った。

1715 下降終了。駐車所に戻り、明るいうちにギアの整理を終わらせ、風呂と買い出しへ。この移動中にinueはなんだか気持ち悪くなっていたようだった。体が冷えたのか、疲れか、とにかく風呂に入りたかったようだ。先にAコープへ向かったがここは1800に閉まってしまうということが後になって分かる。さすが隠れ里?。なので先に日之影温泉へ。

1822 温泉。よい場所。inueは湯船で体を温め体調を復活させることができた。あぶねぇ汗そのあと片道30分ほどの結構遠いazuroまで行き、駐車場へ。帰り道、tkhrさんはかなり眠かったらしい。風呂の後は危険ですな。というかinueはダウンしてたな。急いで夕食を済ませて明日はいよいよ本命のニードル左岩稜を登る!

2240 就寝

 

2.25(木) 曇りたまに晴れ。でもずっと寒い。風が強いが次第に弱まる、らしい。

0600 起床。危うく二度寝。食事。風が強く、ニードルは北側なので何か他のを一回登ってから行くことにした。

0800 アプローチ開始。TAカンテと取りつきが近いナックルスラブらへんのを登る予定で進み、まだところどころぬれているので岩を見て判断することにした。

0810 取りつき着。アプローチはわかれば10分と極短。そして登るルートを決めた。

0830 ナックルスラブルート・ノーマルⅤ-6p登攀開始。

1p目Ⅳ+.――tkhrさんリード。ここはTAカンテと一緒。2.3p目Ⅳ.Ⅳ+.――ところどころぬれていた。3p目でtkhrさんがトポよりも少し手前で切った、というのも最後のトラバース部分がずぶぬれ。怖くてトラバースなんてできそうにない。tkhrさんが切ったのはノーマルじゃなく交差しているスーパーの方のルートのビレイ点。よってこれより先にはこれまでより傾斜が急な10aがあった。そこのリードはinue。ボルトもちゃんと打ってあったし正直かなり挑戦してみたかった。しかし残念ながら断念。10台も登りたいなぁ。時間もかかるしということで、そこで下降することに。

1020 3p目終了点。懸垂下降開始。このルートはすんごいざらざらだったな、と。3p目の先には何があるんだろうか。核心ルートまで行けず残念である。

1055 下降終了。片付けして下山開始。

1115 駐車場着。用意しておいたコメなどを食べ、ギアなども準備して、いよいよ1峰のニードル左岩稜へ向かう。

1150 アプローチ開始。結構急。初日に確認しておいてよかった。

1200 取りつき着。

1220 ニードル左岩稜1pⅥ、2pⅥ-、3pⅤ+登攀開始。人気ルート。

1p――リードinue。ネット情報によると3通り選べるらしい。たぶん正規なのはダブルフレークを通り、ボルトはなく大きめのカムが3-4個必要しかし大きいのは持ってきていなかった。ハイボルダ―のつもりでノープロでいかなければならないらしい。ビレイ点からプロテクションなしでだいぶ上がっていた場所でしかもそこからの出だしはちょっとしたクラックである。ダブルフレークをすんごい登りたい気持ちが強く、しばらく試行錯誤して「のぼりまーす」とか言って足離してみたけど高確率で落ちて重傷だなと思ったので、仕方なく隣の階段上で簡単なところから登った。tkhrさんも後で「ありゃ無理だ」的なことを言っていたので、大きくうなずいた。2p――ナチュプロ必須との情報からtkhrさんがリードする予定であったピッチ。やはりボルトはなかった。というか1p目が終わったビレイ点の時点で風が滅茶苦茶強く、さらに吹雪いていたため、そこですっかり体を冷やしてしまい、2p目の記憶は壁からはがされそうで怖かったことだけ。雪が降ったんですよ!

1340 2p目の終了点着。とりわけここは豪風が吹いていた。ここでの会話。ゴォォォ。鼻をすすりながらフォローのinue「風ヤバッ!風やばくないっすか!?めっちゃはがされそう!」tkhrさん「やばいね、この上もナチュプロらしいよ!」「えっ!?風ヤバ……めっちゃはがされそう……。マジ怖いわぁ……。あーもう下りたいぃ。この上もtkhrさんリードしてもらっていいですか!?」「…あ、いいよ…」「やべー、さぶっ、あー下りたい!」何度も同じようなことを言った。ちょっとして二人とも「3p目行く!?」inue「あーさぶ、下りたい。でも上まで行ってみたいですよね!せっかくここまで来たし!でも勇気ある撤退も必要だしなぁ!さぶっ!危ないし」「まぁ危ないしね、はがされそうだし!2p目一回ほんとにはがされるかと思ったし!」「でもやっぱ危ないっすよね!」二人「よし、下りよう」inue「ここで下りても後悔はないくらい諦めつくほど風やばいし!」という風な会話をして懸垂下降に移った。最初、tkhrさんが下降しているとき、上で待っている間も豪風だったので、辛かった。(さぶっ、早くしてくれぇ、はやくしろぉ、ア“―)2回の下降で来た時より奥の登山道の近くまで下りた。そして来た道に合流し下山。下山しながら次のルートをトポで探した。

一番の楽しみであり目的だったニードルに立つことはできなかったが、どうしようもなく仕方なかった。tkhrさんも2p目の終了点で、ウェイが上がってきてこのまま登りますっ!って言ったらどうしよう、と言っていた。日程をずらせばもしかしたら何とかなったかもしれない。冬にニードル登るのは、よした方がいい、というネット情報は正しかったようだ。でもまぁ、あの風の中を無事に帰れたので良かった。今でも恐怖である。

1500 駐車場着。ちょっと休憩と、道路から見える1スラがあるスラブを確認。

1530 第4スラブルート1pⅣ+,2pⅤ/9p登攀開始

駐車場よりアプローチ1分。1p――リードinue。普通のスラブ。動画で見た安間佐千がスラブのマントル返すまねを存分にやった。2p――一部岩々した場所があり、そこが面白い。レイバックの練習。1630というlimitが近いので下降開始。

1620 2p目終了点着。懸垂下降開始。懸垂一回。全9pの4スラは2pしか登っていないが二人の中ではかなり高評価。ぜひ上まで行ってみたいルートであった。

1715 下降終了。片付けをして、まだ明るいが昨日の反省から1800までのAコープへ急いで向かう。あと100mもないところで車の時計が1800になってしまった。だがしかし。焦ったinueをtkhrさんはこの車の時計は5分くらい早いからと制した。ぎりぎりで店内in.レジの店員に目で急かされながら、急いで材料を買った。かなり寒かったので毎日風呂に入ることにした。日之影温泉へ。

1905 風呂発。駐車場へ。明日が最後かぁ、と寂しがりながら夕食を食べ、明日の登るルートを決め、寝る。明日は2番目本命の左方カンテと5pくらいの何かを!(失われた草付き)

2200 就寝。

 

2.26(金)最終日 晴れ若干曇り。これまでで最も天気が良い。風も昨日よりは弱い予報。

0820 起床。食事。朝は相変わらず寒かった。だがこの日は初?の青空が仰げた。

0820 アプローチ開始。徐々に風は弱まるそうなので寒そうな3峰の左方カンテより先にTAカンテの隣の失われた草付きを目指す。1p目はinueが担当する予定なのでザックを背負って登る。息が上がっていた。まだ慣れてないですな。

0830 取りつき着。ちゃんとルート名を書いた看板があった。小便を忘れずに添えて。

0850 失われた草付きルート(5.9) 5p登攀開始。

1p目Ⅵ.――リードinue。核心ルートである。リードさせてもらった。前半に核心があり、後半は楽。難しいところはちゃんとボルトが打ってあり気が安らぐ。垂壁に近く手が悪く足もない。手が悪くカチ持ちばかりして何とか登った。これまでの比叡で一番難しかった。シューズのソールが削れてつま先丸まっていて,細かいのに乗るとかなり怖かった。でも登れたので自信もついたし、うれしかった。やはり早く10台でアドレナリンを出したい。セカンドビレイをしていたらtkhrさんが、うぉっ、と声を上げた。inueはロープ!と言われたと思ってめた手繰った。どうやらムササビをみたらしい。上から飛び落ちてきたらしい。えらく感動していた。2p目Ⅳ+.――難無し。3p目Ⅳ+().――フリクションがかなり良く。どこでも立てる感じ。inue「それだとなんかつまんない」tkhrさん「え、いいじゃん」。結構手が悪い。右側のⅥ-も行けたが難しそうだったので逃げた。まだまだですね。ここでも安間佐千のまねを有効に使った。結構スピードアップにつながる。4p目Ⅳ+.――3p目同様。Ⅳにしては難しい。ここまで結構難しかった。5p目Ⅳ.――簡単だが全くボルトがない。35mで1個のみ。他に途中支点取れそうな場所もない。

1125 終了点着。このルートを登れたことは今回の活動の中でも成果に入る。久々に一つのルートを完登することができた。inueは久々に達成感を味わっていたようだった。天候もよく、この日のような天気が五日間続けば、と憂いた。ロープの片づけをして下山に入る。

1140 下山開始。再びあのリッジを歩かなければならない。だがこれで最後である。やはり緊張するもので恐怖を感じたが寂しさも感じた(;_:)。inueは稜線歩きも慣れてきたよで良かった。5分ばかりリッジを歩いて登山道を下山。ここも最後の下山道。

1205 駐車場着。まず3峰近くの駐車場まで車で移動し、それからちょっと休憩と米を補給。次は左方カンテ。時間もしっかり残っている。

1300 取りつき着。取りつきへは崖にあるトンネルに入らず、トンネルの外の崖側へ登るというもの。道路からは30秒。

1320 左方カンテノーマル5.95p登攀開始。

1p5.2――2p目が核心で最終ピッチが5.9のナチュプロ必須。なのでそれぞれの力の発揮場所を考え、1p目はtkhrさんリード。30mでボルト一個のみ。しかも最初がハイボルダ―過ぎるし、高度感すごい。さらに見た感じ難しそうで5.2とか嘘だろって感じだった。オブザベしたら意外といけるのでは、となったけど、パッと見、リードしたくないと思った。しかし実際は簡単であった。2p5.9――核心ルート。出だしから難しい。スラブなんだけど1ピン目のボルトは遠いわ、手はないわで手はフリー、足のみで立って登るしかない状況がある。足が滑ればゼロピンのみで即、大フォールという恐怖の中、意識を足裏と岩の接触部分に集中させ、どうか足よ滑らないでくれと祈りながら、思い切って足に力を入れて次の持てそうなホールドを取りに行く、マルチのリードで味わう緊張の瞬間であった。足も滑らずホールドを持ててからは、はぁぁ、と息をついてしまった。そのあとも、足を先まで伸ばし、大股で岩と岩をトラバースしたり、ハングがかったところや大きな岩が剥がれ落ちそうな場所を登った。多彩で面白いルートだったがかなり怖かった。ビレイ点でセルフを外しメイン一本を伸ばす方法を覚えた。普段メインは時短のため、登るときさっさと外してしまうことが多いので、メイン一本でこれをしてビレイされていなかったら死亡なので注意が必要であった。3p5.7――フレークがたくさんあり面白かった。inueはレイバックを繰り出した!かなり練習できた。かなり面白く気持ちいいルートであった。4p5.4――ここもフレークがたくさんありレイバックで登った。少し怖いが、かなり早く登れることに気が付いた。上の方は大きい木があってぶら下がって登ったのは覚えている。tkhrさんがフォローで登ってきてあまりやる気がなかった。5p5.9――どうやらtkhrさんの心がやられてしまったらしい。次のピッチはネットによるとオールナチュプロでクラックのルート。たとえ5.9でもクラックとなると慣れていないと5.9以上であるだろう。しかも後からネットを見たら“カムが1セットないと登れない、というか死ぬ”との記載があった。5p目は出だしハングをトラバースからの登りなので、ビレイ点からはルートが見えなかった。tkhrさんはもう登る気はなかったが、inueが「ルート見てきていいですか?」というからギアとカメラをもらいinueはトラバースしていった。トラバースした後さらに登って行ってしまった。inueが見た感じ、フレークばかりでやはりボルトはどこにもなかった。だがかなり面白そうであった。しかしもう登る雰囲気ではなかったので、そこからクライムダウンで下りてきた。高所でのクライムダウンは怖いだろう。

1640 4p目終了点で懸垂下降開始。二回。最後はぎりぎり足りた。途中、tkhrさんが下降中、上でinueが待っている間、川の対岸にある矢筈岳(こちらも岸壁で登られている)に救助ヘリが飛んできて、救助員が降りて人を救助していた。唯一のゆとりある撮影時間にのんきに撮影していたが、事故でもあったのだろうか。まさかのボルダ―組ではないことを祈った。inueは懸垂下降も慣れてだいぶ覚えられたようだった。もう一人でもできるだろう。

1720 取りつきまで下降終了。駐車場に戻り記念写真タイム。さらば比叡。tkhrさんにも感謝!

1740 帰路へ。比叡まで通った道路と工事現場に別れを告げバイパスを走る。高千穂温泉に行くはずが通り過ぎてしまったので、そのまま阿蘇の麓まで行くことに。

1910 熊本in.ガソリン111円/Ⅼ。途中で買い出し。

2000 阿蘇白水温泉瑠璃。300円でゆばーば級。毎回ここがいい。

2100 隣の白水公園で夕食。

2300 就寝

 

2.27-28(土)(日) 移動日

0545起床―0650発―1850兵庫県姫路市ずんどう屋本店―2150兵庫県上荒川PAで車中泊

0530起床―0610起床(二回目)―0625発―1510部室着―1600過.解散

梅の花が咲き、花粉も飛んでいた九州に別れを告げて帰宅。焼畑前の阿蘇を観光したり、主に広島でウェイさんダウンしたり、背油チャッチャとんこつラーメン食べたりしながら来た道を引き返した。tkhrさん運転お疲れ様でした!

 

感想

もとより比叡だけのつもりでの活動だった。屋久島に行けなかったのは悔しいけれど仕方がない。もし行っていても途中敗退するんじゃないかと個人的には思った。やはり体力は必要。長期の活動であったけど登っている期間は短く感じた。一日雨が降ってしまい、後にも響いてしまった。どうしようもないけれど残念。また、基本寒くて風が強くてつらかった。残念。自然相手なのでどうにもならないので、僕らを変えてくしかない。

それと、攻めて素早くすればもっと登ることは可能だったと思った。一日3つのルートを完登するくらいになれれば楽しいだろう。まだいける!プラスしてもっと高いグレードをマルチで登りたいと思った。瑞牆とかでもマルチできるレベルになれば楽しいだろう。狩野さんにリードしてもらおうか…。まずは外岩で11台を落とさねば。

今回マルチの数をこなすことでだいぶ慣れることができ、技術の向上ができた。カムナッツ類の扱いはまだまだなので反省である。近いうちにどこかで勉強したい。いろいろと教えていただいたり、活動を引っ張ってもらい、車含め、tkhrさんに感謝です。ありがとうございました。そして、すばらしい岩場だったのでまた来れたらうれしい。ロックタワーの取りつきを見つけたい!

 

今回、カムを一つ失った。原因は設置の未熟さ。対策はスリングで伸ばす、岩の形状をよく見て慎重にきめる、慣れる、など。失ったカムは次の活動を目安にinueが補充します。

 

まとめ

比叡のグレード

置き換え目安

登ったルート Dinner Menu
Ⅳ =5.3

Ⅳ+=5.4

Ⅴ-=5.5

Ⅴ =5.6

Ⅴ+=5.7

Ⅵ-=5.8

Ⅵ =5.9

Ⅵ+=5.10a

1.TAカンテⅣ+ OS

2.第1スラブ(ノ)Ⅳ+

3.第4スラブ 2pのみ

4.ナックルスラブ(ノ) 3pのみ

5.ニードル左岩稜 2pのみ

6.謎1p+第1スラブ(ス)1p

7.失われた草付きⅥ OS

8.左方カンテ(ノ) 4pのみ

20.Tonjiru

21.Soy Soup with Chichen

22.Crrry and Rice

23.Garlic Miso Pot

24.Mabo Tofu

25.Millefeuille Pot

26.Garlic Miso Pot with Tomato

27.――――――

風呂 ニキおじさん
20
21
22
23
24
25
26
27

総移動距離.3120㎞。活動費.キロ1を除き一人当たり40000を切った。

豪風で登れなかった。ニードルの3p目終了点。↓

WS000000

比叡山1峰南面。この奥に3峰まで。写真だと小さく見えるね。↓

DSCN0319

 

 

☆装備 スリング(240×1、120×5、60×8)、ナッツ6-9(4個)、カム(マスター#2、キャメロット0.4、0.75)

基本は初日のこの装備で登った。ルートによって多少変更した。後半は60スリングが減ってカムの数が増えていった気がする。

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